引越を考える〔その18〕2000年1月号

インターネットと引越(その1)

 インターネットが、世の中で確実にその地位を築いている。株式市場での活況、インターネットを使った新技術、新規事業は、経済活性化の重要な要素になった。インターネットの歴史はまだ短く、いろんな面で未整備な部分が多いものの、低コストで世界に情報発信、情報共有できる手段として、いままでのメディアを一新させるポテンシャルを持つ情報手段だ。
 インターネットでインターネットの歴史を調べてみた。瞬時に下記のようなことがわかった。「日本最初のホームページは、1992年9月30日に茨城県つくば市にある文部省高エネルギー 加速器研究機構 計算科学センターの森田洋平博士によって発信されました」。
 そのマシンが、年末にリタイアした記事が新聞に掲載されていた。世界最初は1989年3月にスタート。現在のインターンネットをソフトウエアで見やすくしたブラウザが始まったのは1993年1月。
 現在の企業アドレスco.jpができたのは1994年6月。現在のインターネット利用者が日本で1000万人を突破。日本でのホームページの専用アドレスの数が10万を突破している。
 インターネットの良さは、いつでもどこでも情報が見れたり、情報の受け渡しができる両面をかね添えていることである。しかも、コストが最寄りのプロバイダー接続の電話番号にすればいいだけで、後はプロバイダーとの利用料金を払えばいいだけだ。月に20時間ほどインターネットを利用すると、通信料含め、時間帯にもよるが、5000円から8000円ほどだろう。
 しかも自分のホームページの掲載もできるなど、これだけの低コストで全世界に対して情報発信、共有ができる仕組みは、どんなメディアにもない。
 私は、4年前に、物流分野の情報システムの展示会を行ったが、その時の物流業界におけるホームページの数は10社ほどだった。しかし、現在では個人的なモノも含め1000件くらいのホームページがあるだろう。
 こういったホームページでの引越業界の浸透は大きなモノがある。引越しとインターネットは相性がいいように思う。なぜなら、個人の引越ニーズは、個別ニーズによるモノであり、常時引越をするわけではないので、インターネットで検索する方が、簡単だからだ。電話帳広告とインターネットとどちらが引越業者を探すのに便利かといわれたら、ホームページを週1回やっている人、会社でメールのやりとりをしている人にとっては、電話番号を見つけるよりホームページの方が簡単で早い。114で電話番号を調べてもらうには現在60円がかかる。しかし、ホームページなら10円で何件でも調べられる。だとしたら、インターネットで引越のお客をつかむのに一番いい方法は、インターネットで引越料金とサービス内容が簡単にわかり、さらに簡単に見つけられるページを持っていることが大事だ。しかし、http://www.hikkoshi.co.jpというページは見当たらなかった。


引越を考える〔その19〕2000年2月号

インターネットと引越(その2)

 インターネットの日本における利用者は1538万人(エーシーニールセン・コーポレーション調べ)になったそうである。パソコンショップも従来のパソコンおたく的な人種よりも、女の子だけ、カップルで来る人たちが増えた。その利用目的はいろいろあるが、インターネットを使う人のウエートがほとんどである。
 情報の入手、メールのやり取りの手段として、大学では5年前からほとんどが利用しているといっていいだろう。若い人から、ビジネスマン、上場会社のビジネスマンで会社で独自のメールを持っていない人を探すのが、難しくなっている時代だ。新しい取引先を調べるのにまずホームページでチェックするのが当たり前になっている会社も多い。
 そんな時代の引越に関するホームページはどうあるべきだろうか。少し考察してみたい。引越をインターネットで検索する人はどういう人だろうか。やはり、インターネットでいろいろな引越業者を探すには、各引越業者のホームページを探さなければならない。アドレスをいちいち入力すればいいのだろうが、まず、インターネットをする人は検索エンジンから探すのが一般的だろう。有名なのがあのYahoo。ロボット式の検索ではなく、人手による登録方式を行っている。
 検索エンジンは、インターネットのホームページをアドレスではなく、言葉を入力することで、探してくれる便利なページだ。有名どころではYahooのほか、Infoseek、Ringring、Lycos、goo、AltaVista、InfiNavi、ocn navi(旧ntt directory)などがある。当然無料で検索できるわけだが、この検索エンジンを使うことで、実際には各ホームページを探しているのが実態だ。
 一般のひとが、特に、引越業者のアドレス知っているはずもなく、覚えやすいといってもアドレスをいちいち入力する手間は、引越業者のホームページの場合、考えにくい。このため、できれば電話帳の広告には大きくアドレスを表記するとともに、インターネットで成約になった場合のプレゼント、恩典を表記する必要がある。チラシでのアドレス表記も重要だ。
 しかし、そんなことをしたら、インターネットの市場が荒らされると思われがちだが、意外にインターネットを使っても何社も合い見積もりをする人は少ない。それよりも、引越に関わるデータを入れると、一番安い引越業者を選択してくれるホームページの出現を望んでいる人が多いかもしれない。
 まず、この検索エンジンで「引越業者」と入力して、いち早くリストに表示される業者が利用される可能性を持っている。このことを前提に考えると検索エンジンの構造をできるだけ理解して、ホームページを作成し、検索エンジンの活用を進めるべきである。



引越を考える〔その20〕2000年3月号

インターネットと引越(その3)

 インターネットを使った事業展開を進めるベンチャー企業の株価がいろいろと話題になっている。既存の企業よりもインターネットを利用したベンチャー企業が大流行だ。
 そのなかで、既存企業で一番インターネットをうまく使っている企業といえば、パソコンメーカーとソフトウエア会社である。日本アイビーエム、アップルなどはインターネットでダイレクトな販売を行っている。ソフトウエアの販売、サポート、アップグレードしたソフトのダウンロードなどはインターネットが中心だ。この分野でのインターネットでの進化は加速されている。
 次いで、既存メーカーで一番利用しているのがソニーだ。昨年のロボット犬、アイボはインターネットでしか販売しなかった。
 今回のプレイステーション2(PS2)は一般発売よりも、ソニーのホームページの販売が加熱状態だ。私も、PS2をソニーのホームページで開設5日後にチャレンジ、なんとか購入手続きができた。3月4日の発売から1週間後には送付されてくることになった。
 この画面で驚いたことがあった。なんと値引きを行っているのである。本体だけでなく、発売されるソフトと、DVDのソフトも。これはたまげた。このホームページの怖さを感じた。ソニーはPS2のハードソフト、DVDソフトの市場までもダイレクトに押さえてしまうつもりだ。
 従来のソニーの商品を売っていた店はたまったものではない。今一番売れるはずのものが、店で売るよりも早くソニーが自ら販売してしまうのだ。インターネットは、小さな会社が大企業と同等な立場で競争できるメディアであり、情報ネットワークだ。そこに、既存販売網を度外視したやり方をソニーは採った。
 それだけに、今後インターネットを使った販売システムは、いろいろな可能性を持つことになった。引越しも間違いなく、インターネット受注が中心になると思って間違い無い。主婦が電話と同等レベルでインターネットを触る時代は時間の問題だろう。
 そうなると、従来のホームページの開設はいろんな面で違ってくる。
 例えば、パソコンメーカーとタイアップで、最初からネットスケープやエクスポーラといったブラウザのなかのブックマークに日本通運やアートコーポレーションのホームページが入っている状態で出荷される可能性がある。そういったホームページ提供会社による契約で、パソコン販売の価格を下げる方法がとられるかもしれない。
 引越しを行うことを前提にパソコンを購入する人たちもいるかもしれない。引越しを決めたらこういったパソコンをプレゼントする時代がきているかもしれない。
 そこまで、考えている人たちもこの読者にはいるかもしれないが、インターネットをより重要視する方法が必要だ。それに早目にcomにアドレスも取得する必要がありそうだ。


引越を考える〔その21〕2000年4月号


インターネットと引越(その4)

 インターネットの面白さは、誰でも、どこからでも、いつでも見れるネットワークであり、いままでのメディアのあり方から考えると、驚異的なパフォーマンスを持っている。ホームページは、同時にアクセスしても大丈夫だし、時間、場所に制限されないという機能は全世界レベルでの情報を共有できる魔法の仕組みとっていいかもしれない。
 ことしは、インターネットを使ったビジネスが日本でも本格的に展開されるようになった。パソコンの普及と浸透が予想以上に一般家庭を含めて進んでいるからに他ならない。引越しについても、引越業者を探すのはタウンページ、チラシ広告といった媒体よりも重要になってきている。
 大手の引越業者の中には、売上げの1割をインターネットで受注しているケースが出てきている。大手引越業者も最初は広告の一部としてみたケースが多かったが、予想外の受注の伸びに大幅にホームページを強化しているケースが増えてきている。
 日本通運のような、総合物流業者であっても引越しの扱いを最初のページにバナー広告的なレイアウトをしており、ホームページでの引越しの重要性を認識している。
 そういった環境の中で、少し問題なのが、ホームページ上ではどんな企業であっても平等な立場にあることだ。しかし、ということは、日本通運も一台の赤帽も同じ立場にあるといっていいということになる。法的な問題がない場合はいいが、全国レベルで受注できるホームページとしたら
その事業が法的に認められたものかどうかの判断はホームページの製作者の責任に基づいているといっていい。
 引越しは運送業であり、自動車貨物運送事業法、利用運送事業法のもとに規定されている。だから、こういった法律に適合した事業者だけが、ホームページを掲載していれば問題はないかもしれないが、場合によっては許可、届出などをとっていなくても掲載しているかもしれない。
 現在のところ、インターネットの管理、運営などをしているところとしては、JPNICという組織がある。ホームページのアドレスを管理しているところだが、そこではできるだけ自由なネット利用を前提として進められている。ところが、善意の人だけで運営されているわけではなく、悪意、もしくは違法のホームページも十分ありえる話である。
 引越し業者によるこういった問題はまだ目立って表面化していないが、今後行政も含めてホームページのチェック、指導も必要になるかもしれない。
 行政では、ハッカーによるホームページの改竄事件が発生し、社会問題になっているだけに、今後こういった傾向は出てくるかもしれない。ただ、プロバイダーに入れば無料のホームページ製作ができるケースが多く、現在のところ、ホームページの新設はまったく自由といっていい状態だ。
一応、ホームページの内容について、文章による同意をとる形式はとっているが、全ページのホームページをプロバイダーが把握しているとは考えにくいと思われる。今後はこうった分野での管理体制も重要になると思われる。



引越を考える〔その22〕2000年5月号

インターネットと引越(その5)

 下のアドレスは、アートコーポレーションの最初のホームアドレスである。
 http://www.inter-g7.or.jp/0123/home.html
 平成7年ごろに開設されたときは、広告代理店の企画で始まったと聞いているが、まだ、インターネットマーケットが未整備な時代であっただけに、アドレスも、プロバイダーのサーバーレンタルから使用を始めている。
 2年後には、http://www.0123.co.jp/で本格スタート。そして、今ではhttp://www.the0123.com/を取得して新しい展開を始めている。このアートの戦略は、アート自体のインターネットとの関わりを積極的に展開してきた証でもある。ホームページ上でチェックをしたら、下記の専用アドレスが取得されていた。
 ○http://artdenet.0123.co.jp/、○http://www.artsports.co.jp/、○http://www.asxgolf.com/
 ○http://www.artcollection.co.jp/、○http://www.artplanning.co.jp/
 ○http://www.artvanlines.co.jp/、○http://greeting.0123.co.jp/
 この他にも、あるかもしれないが、これだけ見ても、アートのインターネット戦略は、同業他社とは次元の違うレベルで進められているといっていいだろう。インターネットが有効な武器になると考えられるようになったのは、タウンページの広告で引越市場が大きくなった時と同じ現象である。
 常に必要ではなく、引越が発生する時にはじめて引越業者を探す方法として、タウンページから急速にインターネットに移行されているといっていいだろう。それにいち早く対応したのが、タウンページで引越しの広告を全国で進めた、同社の新たな広告戦略だった。
 ただ、タウンページを見ていたのがホームページに変わったというのなら、新しい市場を開拓したわけでなく、新しい受付システム、広告方法が増えた感覚であった。しかし、アートは、引越受注だけでなく、ホームページを見たくなるようなゲーム感覚の内容、関連商品、関連企業の販売戦略にすぐに活用する手法を考え出しているわけだ。
 このため、業態の違う分野ごとに専用アドレスを取得している。そして、それぞれのホームページで企業告知、受注システムを構築している。これは、ホームページの基本がきっちり押さえられているからに他ならない。
 ただ、気になるのはいろいろなホームページがあって楽しいのだが、できれば引越だけのホームページをもっと明確に打ち出してほしい。すべてのトップページのメニューが多すぎるのが気になる。the0123.comも今後の展開が楽しみだが、できれば英語のページも欲しい。今後、どう展開していくのか、アートのホームページは目が離せない。


引越を考える〔その23〕2000年6月号

インターネットと引越(その6)

 インターネットにホームページを立ち上げている引越業者は兼業者、軽トラック合わせて、500社はあるだろう。しかし、その業者が引越をメーンに打ち出しているページは100社ないだろう。
 顧客にとって引越業者を探す手段として、インターネット上ではどういったページから入り込んでいくだろう。
 引越業者が特定されていれば簡単だ。検索エンジンで、社名を入力して探せばいい。でなければ、その業者のチラシなどに入っているアドレスを入力すれば、対応できるはずだ。
 そして、一般の人が、直接インターネット上で、探すにはいろんな検索エンジンから適当なホームページを見つけ、引越業者を選択する方法が考えられる。
 しかし、これからは、引越のデータを入力すれば、主力の引越業者などの見積もりがシステム上で一発で比較検討できる仕組みが中心になるはずだ。それに近いことを始めているホームページは、下記のようにいくつかできている。
 HJ引越ダイレクト(http://www.hjcenter.ne.jp/direct/index.htm)、リクルートイサイズ(http://www.isize.com/house/move/index.html)、イテン・ネット(http://www.e-ten.net/)引越達人(http://www.inter-eye.com/move/)、史上最強の見積もりエンジン(http://www.hanae.ne.jp/ness/)、JMN(http://www.jmn.ne.jp/)。
 まだ、完全ではないが基本的な姿勢は、登録している引越業者へ引越の情報を提供すれば見積もりをしてくれる仕組みだが、個別に見積もりを行ったり、インターネット上で自動計算をしてくれるまでは、難しいようだ。
 しかし、この考えを押し進めると、「貴方にとって一番最適な引越業者を選べる」ような仕組みができてくる可能性は充分にある。ただ、こういったホームページの運営は、いろんな会社が行っているが、顧客からの手数料を取らない方式が一般的だ。このため、このホームページの運営、もしくは紹介手数料として、引越業者に対して、登録費などの費用がかかってくる可能性が高い。
 引越業者が集まって、このようなホームページを作成すれば、いいだろうが、費用は従来の不動産会社の紹介手数料と似た様相がでてきている。しかし、これも登録をしても反応が少なければ意味がないので、カウントの多いホームページを優先に考えるべきだろう。目的はあくまで顧客を増やす手段として行うべきものなので、できれば自社のホームページのアドレスを大きく明記した広告、チラシを作成するのが、まず最善策だ。


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